明和高校とは

※平成16年3月末に閉校した私立女子校です。

黒髪+ノーマル丈スカート+三つ編み+指定バッグ

町で見かけた明和の子たちはみんなこんなかんじだったなぁ。
一様にきれいに制服を着ているんです。着崩す事はいっさいしません。

それというのも身嗜みや日々の生活に於いて厳しい校則があったようで、
・髪の色は黒
・髪を妄りに切ってはいけない
・髪型は三つ編み
・男性と会話してはならない
・男性とは常に距離をあける
・etc...

以上はすべて伝聞ですので、真偽は定かじゃないんですが。
しかしありそうだなと思わせるのが明和高校。

実際に行われていた明和の習慣としては、他に
・先生からも、生徒同士でも「さん」付けで呼びあう。相手の人格を最大限尊重する心をもつ事。
・一日一回は小さな親切を行う。電車やバスで席を譲る。
スカート渡し式(後述)
・遅刻欠席をする生徒がほとんどいない。毎年卒業生の約4割の生徒が、3年間無欠席無遅刻無早退を達成していた。
などがあります。

明和高校では普通科は存在せず家政科のみ。
その専門性は非常に高く、文部科学省認定【全国高等学校家庭科技術検定】の一級合格者を、年間数十人も輩出してきた実績があります。
芸術の分野でも、硬筆書・書道・エッセイなど、各展覧会で受賞していることから、文書に対する高い教養が伺えます。
寮完備。しかし全寮制ではなく、通学困難な遠隔地域から通う生徒のみに入寮が許可されます。

戦後、日本の教育がアメリカ式に換えられる中、当時県下に公私立あわせて16校あった、いわゆる家政科の学校は
次々普通科に切り替わっていきました。最終的に残った家政科の学校は、明和高校ただ一校だけ。
創立者 平方金七の、女子の教育に家政科は必要との信念によるものと言われています。
教育の場において「個性」が叫ばれている時代にあっても、ずっとこの保守的スタイルを守り続けてきた、それが明和高校なのです。

●Yahoo知恵袋にて、明和高校について面白い質問があります。
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1021547750

制服の特徴

平成11年度より、ブレザータイプの制服が採用されました。
紺の二つ釦ブレザー+タータンチェックのキルトスカート。
このチェック生地は、至る所にふんだんにあしらわれており、季節が変わっても制服の統一感を崩さないようデザインされています。
ベストの前身頃、ネクタイ、ダッフルコートの裏地、マフラーに使われています。
チェックの生地自体はイギリス製。
制服全体のデザインコンセプトは、英国の伝統的なスクールスタイル。となっています

明和展

毎年11月の第2土日に開催されます。
一般でいうところの文化祭とは違い、生徒の一年間の学習成果を発表・展示するという作品展示会です。
実習で作った被服作品の他にも、生徒の学習ノート・親切ノート・休日日誌・旅行記・作文なども展示されます。
どの子のノートも一様に、硬筆展出展作品のような、教科書のような、きれいな文字で綴られているんです。とても壮観でした。
一筆ずつ丁寧に書かれているのが伝わり、改めて明和高校の凄さを感じました。

大食堂では、カレーライスやうどんが食べられます。じつはこれも調理実習の「作品」。

明和高校HP

http://www2.ocn.ne.jp/~meiwa/index.htm


明和の歴史

1933年 平方裁縫女学校を創立
1941年 平方高等裁縫女学校へと発展
1943年 平方実業女学校に改称
1945年 戦災で校舎を焼失する
1946年 新校舎再建
1948年 明和家政高等学校に改称
1960年 明和高等学校に改称

スカート渡し式

ブレザーに替わる平成10年度までの慣習として、スカート渡し式が挙げられます。時期は6月末。
新入生の為に、3年生が夏用のスカートを作ってあげるというイベントです。
3年生の担当が一人つき、採寸から型起こしから仮縫い、縫製に至るまでの全てを担当が行います。
完全なオーダーメイドですね。
先輩が一針一針心を込めて縫ってくれる制服ですから、きちんとしなくてはという気持ちに繋がっていくのです。
こういった校風が、上級生から下級生に受け継がれ、思いやりが人柄となって定着していくのだと思います。

夏用ブラウスも、昭和50年代後半までは1年生が自分で一着作り、着用する習慣がありました。

制服の特徴

三つボタンの紺ジャケットに、紺のジャンパースカート。ネクタイ・リボンはなし。
ジャンパースカートの裾は長く、だいたい膝下10cmくらいでしょうか。

夏ブラウスの胸元には、明和のMの刺繍が入っています。もしかしたらこれ生徒が自分で縫ったのかも。要出典。
先輩作の夏用スカートは箱ひだスカート。黒のベルト。そしてもれなく丈が長い。膝下10cm。

白くつ下もしくは黒タイツ着用。
靴は黒のストラップシューズ。

驚くべきは平成10年までこのスタイルだったこと。失われてしまったのが非常に残念でなりません。